私が家庭教師になってから初めて受け持った生徒は、決して勉強が
得意なタイプではなく、また勉強が本当に嫌いな中学生でした。
宿題を出しても全く手を付けない事がほとんどで、
成績も中々伸びずに悩んでいました。
更には生徒が何を考えているかよく理解できず、どのように
接すればよいのか困っていた時期もありました。
私はどうにか生徒の勉強に対するやる気を引き出したい一心で
交換日記を始めてみることにしました。
机に向かわない、字を書かない普段の生活に少しでも変化を
加えられたらと思った為です。効果はてきめんでした。
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交換日記を始めたばかりの頃は、生徒にも照れがあり、
ふざけた内容や日記が短い事も多々ありました。
しかし何週間か過ぎると、生徒の悩みや本心が日記に
反映されるようになり、学校での出来事や進路の不安など
様々な相談を受けるようになりました。
勉強がなぜ必要なのか分からない、高校に行って意味があるのか、
私はそれらの疑問に対して、私なりの回答で真剣に向き合いました。
するといつのまにか生徒の勉強に対する姿勢に変化が見られ、
自分で進んで学習に取り組んでいくようになったのです。
今までは数学の問題をたった１問解くのですら面倒くさがり、
授業を開始してもすぐに飽きてしまう様子だったのが一変し、
志望校合格という目標に向けて精一杯努力する姿を見せてくれました。
私のどんな行動や回答が、生徒の気持ちに変化を生じさせたのかは
分かりません。
しかし家庭教師という仕事を通じて、一人の人間に大きな変化を
与える事が出来た事に強いやりがいを感じました。
そして私が始めて受け持った生徒は、無事第一志望の高校に
合格することが出来、今でも何かあると報告をしてきてくれます。
家庭教師という仕事は子供の非常に難しい時期に接することが
多いと思います。
中学生、高校生といった多感な時期の生徒を受け持つのは
本当に大変な事です。
中々成績が上がらなくて苦しむ生徒、
学校の先生や友達と反りが合わずに苦しんでいる生徒、
もしくは家庭教師を無理やり親に付けられて勉強から
逃げ出したい生徒、様々な生徒がいます。
しかし、だからこそ、そこに家庭教師のやりがいがあるのだと思います。
生徒と真剣に向き合い、成績のみでなく人間的にも成長していく姿を
見る事ができるのは非常に喜ばしい事です。
またそういった姿に感化されて自分の成長にも繋がるのだと思います。
私は家庭教師を通して様々な人と出会い、成長する事ができました。
